という疑問に答えます。
こんにちは! 石川マサヨシです。
僕は今年でパティシエとして活動して27年目です。
その間にホテル、個人店、中規模の菓子製造企業、カフェ、フレンチレストラン、製菓学校講師、等の職場を経験してきました。
その経験に基づいて外国語についてお話しします。
本記事の内容
◎パティシエになるなら英語・仏語は必須です
◎他に必要な科目は何?
◎勉強するための最適な書籍を紹介
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目次
パティシエになるなら英語・仏語は必須です
日本でパティシエとして働くつもりでも英語・仏語は必要です
「私はフランスとかに修業行かないし、仏語は勉強しないでいいよね…」
と考えている方がいたら大間違いです。
パティシエの日常業務には絶えず仏語がつきまといます。
僕が今まで働いてきたお店では、ほぼ全てのお店で仏語を使っていました。
例えば、
材料の名前:ブルーベリー(Myrtilleミルティーユ)、サワークリーム(crème aigreクレーム エーグル)、等
器具の名前:絞り袋(pocheポッシュ)、泡立て器(Fouetフエ)、等
作業工程:生地を伸ばす(étalerエタレ)、生地を型に敷き込む(foncerフォンセ)、等
最低でもここらへんは日常会話で普通に飛び交いますし、レシピをまとめたノート等は仏語で書いてあることが多いです。
ですので、上記の名前等は最低限の知識とした上で仕事をしています。
製菓学校ではほんの少し習いますが、それだけでは不十分の場合が多いため自分でも勉強しなければいけません。
僕は専門学校に一年通いましたが、それが頭に入っていなかったので就職してから慌てて自分で勉強し始めました。
上司・同僚・お客様が外国から来られた方
あなたは日本で仕事をするかもしれませんが、上司・同僚が外国から来た方という場合も大いにあります。
同じ職場で働く場合、日常会話をしないことには意思疎通が出来ません。
特に食感やニュアンスを伝えることが多いこの職業では、出来るだけ会話が出来る方がやりやすいです。
外国から日本に来るシェフはフランスからだけではありませんし、世界中の様々な地域から日本に来るシェフもおられます。
その場合には世界共通語の英語が役に立ちますし、それがご縁で外国で仕事をすることになることも有り得ない話ではありません。
英語か仏語、どちらかで日常会話レベルまで話せることは貴重な技術を手に入れるチャンスを生みます。
近年、ヨーロッパ料理界では日本の食材を使うことがトレンドだったりしますが、特に「旨味」については「辛味・甘味・酸味・苦味」に次ぐ第5の味「UMAMI」として一線級のシェフがこぞって使っていて、大きなイベントなどでは和食の板前さんがデモンストレーションしたりしています。
何がきっかけで外国で仕事をするか分かりません。
僕が働いていたレストランでは日本人だけでも職場内で話すのは仏語オンリーというルールもありました。
ホテルで働いていた時はパーティーなどで外国から来られたお客様に接客することも多々ありました。
書籍
この業界は個人の力量によってのし上がれる業界です。
なのでみんな個人で勉強をし、切磋琢磨をし続けます。
僕も自分で勉強する際に料理の専門書なども良く買います。
何故かと言うと、パティシエも料理人もそうですが、その方の作ったものを食べたり見たりすると、その方の考え方や哲学を見れるからです。
講習会等に行っても、若い方たちが一生懸命に作り方のメモを取っているのをよく見かけるのですが、実際に大事なのは作り方ではなくその方の考え方で、
「作る際に何を一番大事にしているのか」とか「どういう意図を持ってこの製品を作ったか」といったような考え方
のほうが重要で、自分がアウトプットする立場になった時に自分の一番大事にする柱を考える時に本当に役立ちます。
実際に自分が動いて見聞きできる範囲は世界の中ではとても狭く、
自分が行けない場所会えない人の考え方を知るには書籍はとてもいいツールです。
また、自分でアウトプットする立場になりレシピやコンセプト等を考える際、
そういう本をパラパラめくっていてインスパイアを受けることは実際に多いです。
そして、アウトプットする立場になると仕事ではほぼアウトプットです。
インプットをし続けなければアウトプット出来るものが枯渇してしまいます。
なので、僕は一ヶ月に最低一冊は専門書を買うことを続けています。
そうやって勉強していくと、外国のシェフが書いた書籍にも興味が出てきます。
当然のことながら、外国のシェフが外国で出版した書籍(洋書)ですから中身は日本語ではありません。
全て外国語です。
仏語ベースの書籍でも英語表記が有ったりするので、最低でも英語の文章を読める力は有ったほうが良いです。
洋書はそれでめちゃ高い事が多いので一冊で数万円とか何巻セットで数十万とか…
それだけ高いのを買ってしまったらさすがに読まないとって思うでしょ…
他に必要な科目は何?
実践では数学です もっというと算数です
僕たちパティシエはレシピを元に仕事をします。
その配合は「この配合で鉄板何枚分の生地」のような形で書かれます。
こういうのを覚えるとき、ベースになる配合を覚えます。例えば一枚分とか。
で、その日によって焼く枚数も変わるので「何枚なら×〇〇グラムだな」ということを一日に何十回もします。
だいたい2桁の掛け算なら暗算で出来るくらいになります。
暗算が出来なければ計算機に頼りますが、そうすると手が止まってしまうのでどうしても仕事が遅くなります。
またいつもは使用していない型などで焼くような場合、型の容量体積で計算、厚み等を考慮して置き換えたりします。
こういう計算は日常的にいつでも出てくるので、暗算や体積の求め方等は最低限必要になります。
製菓理論を理解するのに理系の脳も必要です
僕たちパティシエは、卵、小麦粉、砂糖、バター、等の物理的特性を理解し、それを組み合わせてレシピにしていきます。
ですので、だいたいのものを作るとき、机上で配合を書いてから一度作ってみて各材料の特性の出方を確認します。
簡単にいうと卵や小麦粉が多いと固くなります。で、各材料の銘柄が違うと特性の出方も微妙に変化します。
だいたいこうなるだろうと計算で出して、あとは各材料同士の影響の仕合を調整することで自分の思うような食感のモノに近づけていきます。
料理人の方々とはアプローチの仕方が真逆です。
実験する際に結果を仮定して実験するのと似ていると思います。
例えばチョコレートなどのフィリングでする水と油を混ぜ合わせる「乳化」等の作業も、どうすれば水と油が安定して存在させられるか考えます。
水だけでチョコレートの中に存在すると水にカビが発生してしまうからです。
各材料の物性を分子レベルで考えてることも必要になります。
独立を目指すなら簿記も
もし独立を目指すなら、お菓子を作る以外に社長となって経営していく能力も必要になります。
美味しいお菓子さえ作ってたらお客様が来てくれるだろうというのは間違いで、職人とは全く違ったスキルが必要になります。
税理士に頼んで決算書を作ってもらうことは出来ますが、その決算書をしっかり読めて今の会社の状況がどんな状態なのか判断できないと間違った方向に進んでしまいお店が潰れてしまう、ということも今までたくさん目にしてきました。
立派な職人さんであってもお店を潰してしまう方はいます。
ですので、すぐに必要ではありませんが知識として持っておくことで、部門長以上の役職に就いたときに役に立ってきます。
ざっくり、3級で個人事業の青色申告のスキル、2級で会社として決算書が読めて活用出来るレベル、と思っておけばいいと思います。
パティシエを目指す方に最適な書籍を紹介
パティシエを目指す時に役立つ書籍
材料、用具から、パティスリー、冷菓、糖菓、地方菓子まで網羅的に収録。フランス語、英語、ドイツ語の3か国語に対応。うれしいカタカナ発音付き。日本語から引ける逆引き用語集も充実。
専門用語六二〇〇語を収録した、字典と事典を兼ねた洋菓子総合辞典。初級者向けのカタカナ表記、逆引辞典など、簡単に使用できる。
インド式かんたん計算法―1冊で頭がよくなる 大人も子どもも、楽しみながら「算数脳」になる! (知的生きかた文庫)
72×78を暗算で解く!? とても無理...と思うあなた。
この本は、マジカル・メソッド(魔法のような方法、と訳しておきます)と呼ばれるインド式計算法のかんたんな入門書です。本格的ではありますが、インドの計算法にはじめて触れる人や、算数・計算は久しぶりという人に楽しくスラスラ読んでもらえるように、できる限りわかりやすく書いてあります。数あるスキルの中から、「これはスゴイ!」と驚いてしまうスキルだけでなく、1回読んだだけですぐに使えるスキルを集めてあります。スキルの紹介だけではなく、どうしてそんなマジックのような方法が使えるのかを、ていねいに証明・解説しています。それによってインド式計算法のおもしろさを感じてもらえるようにしてあります。本書は体系的に作ってあります。第1章から順番に読み進めていくことで、無理なくスキルを身に付けていくことができます。それぞれのスキルごとに、ていねいな解説をつけてあります。
新版 お菓子「こつ」の科学: お菓子作りの「なぜ?」に答える
1987年初版以来30版を重ねたお菓子づくりの「なぜ」に答える書。25年ぶりに全面書き直しをし、時代にあった新しい技術に即した情報を大幅に加えています。イラストや写真もふんだんで、さらにわかりやすく見やすくなりました。
科学でわかるお菓子の「なぜ?」―基本の生地と材料のQ&A231
お菓子の基本である生地作りとクリーム作り、お菓子作りに欠かせない基本材料について、「どうしてこうなるの?」「なぜこうするの?」という素朴な疑問に、科学の視点を交えて、1問1答形式で答える、やさしい製菓技術の科学解説書です。
辻製菓専門学校主任教授の中山弘典先生と、調理科学分野で活躍する木村万紀子先生による、技術と知識のコラボレーションから生まれた1冊。
既刊の調理科学書は文章の解説が主でしたが、本書ではカラー写真を多用しているため、目で観ることで理解していただけるのではないでしょうか。
毎日くり返してきた製造工程を科学で解説するという、より現場の状況に即した内容が特徴です。
スッキリわかる 日商簿記3級 第10版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)
【特徴1】簡潔でわかりやすい説明&イラスト・図表が豊富でサクサク読めます。
やさしい、一般的な言葉を使って、わかりやすく簡潔に説明しています。
また、ストーリーがあるのでイメージしやすく、
読み物のようにスラスラ読みながら、全体像が把握できます。
【特徴2】テキスト+問題集一体型なので、読んだ後にすぐ問題を解くことができます。
「覚えたらすぐ解く」ことで、実力アップにつながりやすくなります。
さらに問題は、基本と応用にわけて掲載。学習のステップに応じて、段階的にチャレンジできます。
スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第11版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)
やさしい、一般的な言葉を使うことで、初めて簿記を学ぶ方もスムーズに理解が可能。
さらに、例題で使っている数字は、暗算OKの簡単な桁数になっています。これにより、たとえば電卓を使えない移動中でも、勉強を進めることが可能です。
後半にある基本問題では、この書籍で得た知識をすぐに解いて確認できるので、知識定着のスピードがアップします。
まとめ
余談ですが、僕は高校時代にドイツ語圏に行こうと考えていたので自分でドイツ語を勉強していました。
この経験は後に仏語を学ぶ際に概念を理解するのにとても役立ちました。
- 学校の勉強は役立ちます
- 社会で活躍するには一つのスキルでは足りない
- 常に努力勉強をする人にしかチャンスは回ってこない
と、僕は思います。
もし、社会に出たら勉強しなくても良い、と思っているのなら大間違いです。
社会に出て勉強しなければ、勉強している人に負ける。
それだけです。誰も助けてくれません。
ですので、学校では自分の意志で勉強していないかも知れませんが、社会に出れば自分の意志で勉強できないと詰みます。
学生のうちに勉強をする癖を付けておきましょう。