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バター がお菓子に及ぼす影響とは何でしょうか
料理にもよく使われるバターですが、料理ではあまりされないお菓子作り独特のバターの特性を生かした作り方をします。
このバターの性質を利用することで、さまざまなお菓子が生まれます。
・バター の特性とは
料理とお菓子のバターの使い方の違いは、お菓子では固形油脂としてのバターの物性を利用していろいろな食感や形状を作ることです。
・可塑性
可塑性とは、外から加えられた力によって、自由に形を変えられる性質のことです。
バター中の油脂は全て固体で存在しているのではなく、固体脂と液体油が温度によって比率を変えながら存在しています。
固体の中で液体油が増えれば柔らかく、固体脂が増えれば固くなります。
油脂中の固体脂の割合が15~25%の時に最も可塑性がある状態になります。
その割合になる温度は13~18℃の範囲です。
この性質を利用したモノがパイ生地です。
生地の温度が
低ければ、伸びず生地の中でバターが割れてしまいますし、
高ければ、柔らかくなりすぎて捏ね粉生地の中にバターがしみ込んでしまい層になりません。
・ショートニング性
生地の中でバターが薄くフィルム状に分散することでグルテンを出来にくくし、デンプンが結着するのを防ぐことでサクサクした食感になる性質をショートニング性と言います。
この性質を利用したのがクッキーやタルト生地です。
このショートニング性が最も発揮されるのは、バターが可塑性を発揮でき生地中に薄くフィルム状に広がることが出来る温度帯です。
・クリーミング性
固形油脂を攪拌したとき、空気を大量に混ぜ込むことのできる性質をクリーミング性と言います。
このクリーミング性は砂糖とバターを混ぜ攪拌したときに、よく発揮されます。
この性質を利用したのが、バターケーキです。
バターケーキはバターと砂糖をよく擦り混ぜて細かく大量の気泡を含ませることで、それを核として加熱で発生した水蒸気や炭酸ガスによってどんどん膨らみケーキが膨らんでいきます。