バター ってどんなものか知ってます?

目次

バター ってどういうものなのでしょう?

バターは非常に身近で皆さんもよく知っている食材だと思います。

しかし、しっかりとバターの事を理解しているでしょうか。

また、色々な種類をどう使い分けられていますか?

前回は、生クリームについて書きました。

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生クリーム デザート
生クリームとは 種類や製造方法 知ってます?

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では、今日はバターについて見ていきましょう。

 

Photo by Markus Spiske temporausch.com from Pexels

・バターとは

バターは牛乳から分離したクリームを凝固させた(練るなどして固めた)もので、

約80%乳脂肪が占めます。

水分が約14~16%程度含まれます。

ビタミンAをはじめ各種ビタミンや栄養素を豊富に含んでいる。

100gのバターを得るために、原料乳は約4.8リットル必要とされます。

様々な動物の乳からバターが作られていますが、一般的には牛の乳から作ったものを指します。

日本では2007年末からバターの原材料である生乳生産量の減少によりバター不足が業界各メーカーで発生しています。

それ以前に牛乳が余る事態になったため、2006年度から行われた生産調整で乳牛が削減されているのに加え、国内の猛暑や輸入元のオーストラリアやヨーロッパの旱魃により生産が減少したためで、各メーカーでは出荷数量の制限や価格の改定を実施しています。

ケーキ屋さんでの仕入れ価格もここ10年で1.5倍前後になっていますし、出荷制限もかかって昨年対比増で出荷出来ないとのことでケーキ屋さんも苦しんでいます。

なので、バターをあまり使わなくていい商品を製品にしたり、代替品を探すなどして対応しています。

実際、私のところではフランス産バターを独自で輸入していたり、友達のところでも代替品を使う、等しています。

 

 

・製造方法

1.牛乳からクリームを分離する。

↓↓↓

2.撹拌機に入れて撹拌し、乳脂肪を凝集させる。

↓↓↓

3.冷水で洗浄し脂肪分以外のバターミルクを取り除く。

↓↓↓

4.このバター粒を練り合わせる(練圧)。練ることで乳化状態が滑らかになる。

要するに、生クリームをずっとかき混ぜると中の脂肪分が集まってバターになっていくということです。

ケーキ屋さんでは生クリームをいろんなときに泡立てますが、泡立てすぎると水分と油分に分離してしまい使えなくなります。

一度溶かして冷やしたら戻らない?と思われるかもしれませんが、水と油を繋いでおく乳化という状態が解けてしまったので戻そうとしても戻りません。

通常で使っているバターとは味も違うし水分量もまだ多いので、バターとしても使えないのでどうしようもないです。

 

使えそうな商品があればいいのですが、なかなか難しいですね。

もう20年以上前ですが僕も30リッターくらいの生クリームをバターにしてしまった失敗経験があります。

 

もし、おうちで牛乳から作ろうと思われる方は普通の牛乳から作ろうとしても作れません。

それは、ホモジナイズという作業をして乳中の脂肪分がくっつかないようにしているためで、

もし、作ろうとされるのでしたら、ノンホモ(ホモジナイズしていない)牛乳というのも売っていますので、それから作ってみてください。

 

 

・種類

バターの種類は次の4種類に分けられます。

 

原料乳からクリームを分離し、

クリームを乳酸発酵させてから作る「発酵バター

発酵させずそのまま作る「無発酵バター

それぞれに食塩を添加した「有塩バター」と添加しない「食塩不使用バター」があり、

種類に分かれます。

以前は「食塩不使用」ではなく「無塩」と呼ばれていましたが、食塩を添加しなくても生乳由来の塩分が含まれることから、、厚生労働省の栄養表示基準により食品の正規表示が求められ、「無塩」という表現から「食塩不使用」に変更されました。

 

この種類の違いはどういうものなのでしょうか?

・無発酵有塩バター

日本やオーストラリア、等で一般的なバター種。

4種類のうち、賞味期限が一番長く、約半年前後。

加塩されるのは主に保存性を高めるためです。

使用量が少ない方向きです。

有塩バター味比べ3個セット(カルピス、よつ葉、雪印) 450gx3個

・無発酵食塩不使用バター

こちらも日本やオーストラリア、等で一般的なバター種ですが、加塩しないバター種。

こちらは無発酵有塩バターに比べると、約一か月程度賞味期限が短くなります。

加塩していないため、バター本来の味がわかりやすく出ます。

お菓子を作る際、塩味を出したくないもの、素材の味をストレートに出したいもの、生地や生菓子に直接入れるときはこのバターを使うことが多いです。

無塩(食塩不使用)バター味比べセット(カルピス、よつ葉、雪印)450gx3

・発酵バター(食塩不使用・有塩タイプ)

ヨーロッパで一般的なバター種。

生乳から分離したクリームを乳酸発酵させて作ったバター。少し酸っぱいニオイがします。

こちらは冷蔵状態でも発酵が進んでいくので開封して一か月もすると味が変わってしまいます。

この香りは加熱することで芳しい香りが立つので、焼き菓子に使われることが多いです。

加塩かそうでないものの使い分けは製品の出来上がりに塩味を出したいかどうかで決めます。

マドレーヌ、フィナンシェでは食塩不使用、パイでは有塩タイプを使う、等モノによって使い分けます。

エシレ発酵バター ブロック 有塩/250g

 

もちろん、上にあげた限りではなく、ケーキ屋さんでは商品ごとにあったバターを使い分けています。

・保存方法

みなさん、バターは冷蔵庫で保存されていると思いますが、

冷蔵庫はニオイの強いものが入ることもありますし、空気に触れていると酸化し味も劣化していくので、出来る限り密閉(ジップロックやタッパー等)し、長期間使えそうにないなら密封して冷凍庫で保存するのががおススメです。

メーカーでは製造してから冷凍保管していますし、輸入してくるバターも冷凍で入ってきます。

それは、劣化が緩やかになるからです。バターを配達してくれるのは冷凍状態というのが通常だったりします。

 

 

・マーガリンとの違い

パンにつけるのはマーガリンという方も少なくないと思いますが、マーガリンとバターの違いは何でしょう?

実はマーガリンは植物油脂をベースに作られています。

主に大豆油、綿実油綿実油、ひまわり油、ナタネ油、パーム(ヤシ)油、等を使い、水や乳製品を加えて作られます。

これだけでは香りがほとんどない為、バターフレーバーを香料でつけたりしています。

最近ではバターを何割か配合したマーガリンも出てきています。

バターの代用をマーガリンで出来るかというと、出来ないこともないですがおススメはしません。

扱いがバターに比べて容易で扱いやすい(そういうふうに作ってある)、コストも安く抑えられる、製品の安定が図りやすい、乳業メーカーの努力により機能性を高めた商品が出てきている、等の利点もあり、一概にマーガリンはダメとも言えません。

ただトランス脂肪酸の問題もありますので、使用すると消費者の印象が良くなくなるのでは?との懸念もあり、私のところでは使用していません。

 

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