という疑問に答えます。
こんにちは!石川マサヨシです。
僕は今年でパティシエとして活動して27年目です。
その間にホテル、個人店、中規模の菓子製造企業、カフェ、フレンチレストラン、製菓学校講師、等の職場を経験してきました。
現在はフリーのパティシエとして、企業様の顧問として商品開発や経営改善・技術指導・等をしたり、
店舗開発のお手伝いやセミナー等を行っています。
本記事の内容
◎パティシエに 向いている人 向いていない人 適性とは
◎センスは必要なのか?それは期待していません 育てます
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目次
パティシエに 向いている人 向いていない人 適性とは センスは必要か
パティシエに求められる条件
僕が考えるパティシエに求められる条件は、
- お菓子を作ること食べることが大好きだ
- オタク気質(探究心、観察好き、分析好き)
- 思慮深さ(相手の気持を考えられる)
- 体力
だと思います。
では、この4つについて解説していきます。
パティシエに 向いている人 向いていない人 適性とは
お菓子を 作ること 食べること が大好きだ
「好きこそ物の上手なれ」
まさにこの諺の言うとおりで、何よりも大切なのは好きどうかです。
好きに優る動機はありません。
しかも、普通の好きでは足りません。
友達と食べて美味しいから楽しいから、といった軽い気持ちなら続かないかもしれません。
今までお客様として楽しかった側から、楽しませる側に立場が変わります。
そこでは新人だったとしても責任は発生します。
仕事ですから、ツライことも当然あります。
それほど好きでも無いことでツラかったら、すぐに心が折れてしまうでしょう。
突き抜けて好きなことで「ツラくても好きだから頑張れる」と最終的に思えるかだと思います。
では、ツラくても頑張れる「好き」をどうしたら持てるのか?
- なぜ私はパティシエになるのか?ということをはっきりさせておく
- パティシエになって私はどうするのか?という目標をもつ
この2つをハッキリさせておきましょう。
お母さん・おばあちゃんに自分で開いたお店のケーキを食べてもらう!
ケーキのコンテストで世界一になる!
など、人それぞれだと思います。
で、いつでも見れるところに書いておきましょう。
部屋の壁がベストなのでしょうが、スマホの中に
「ツラくなった時に見るメモ」を書いておく、でも良いと思います。
これだけでいいです。
これを決めると最強メンタルです。これを自分で自覚出来ている人は楽観的になれます。
いい意味での"アホさ"を手に入れることができます。
オタク気質(探究心、観察好き、分析好き)
パティシエの仕事は忙しさの差はあれ、一年を通して同じことをやり続けます。
季節の商品はありますが、同じスポンジケーキを毎日焼きます。
本当に地味な作業の繰り返しです。
それを毎日続けても、季節、材料、仕込む人、等のいろんな要素によって少しづつ差が出ます。
その差を「なぜそうなるのか?」と突き詰めて考えられる、オタク気質の人は向いています。
その誤差を探ろうとするには、集中力が必要です。
パティシエはとても僅かな差を大事にして、そこに心血を注ぎます。
その一点に集中する集中力を発揮することで、
- 同じ作業の中に喜びや楽しさを見つけられるか
がとても大事です。
例えばコンテストに挑戦する、なんてのも探究心の現れだと思います。
僕もコンテストで最優秀賞を頂いたことがありますが、
その前4ヶ月間は、仕事が終わってから終電まで、すべての休日は勝手に職場に来て作品を作っている。
ということをやっていました。
やらされてたら、ただシンドイだけです。
「コンテストで最優秀賞を獲る!」と自分で決めたから出来たのと体はしんどくても楽しかったからだと思います。
いい意味での"変態"の方がめっちゃ向いています。
思慮深さ(相手の気持を考えられる)
これは
- 同僚に気遣いのできる人
- お客様に気遣いのできる人
と思います。
ケーキを作るのは手間がかかります。
一人が頑張ったところで、一日に出来る作業なんてたかだか知れています。
しかし、パティシエが2人いると生産効率は3倍位に跳ね上がります。
そう、パティシエはお互いに仕事を連携して一つのケーキを作ります。
なので、全体がスムーズに進むなら「私この作業したほうが良いよね」とナチュラルに出来る人は向いています。
例えば A と Bという作業があって、
Aはシンドい作業
Bは楽な作業
Aを今したほうが全体がスムーズに進むとして、
ここで何のためらいもなく「Aするね!」と言える人は向いています。
ここで分かってて楽な方を選ぶひと、又は拗ねながらシンドい方をすると、周りからはしっかりと見られていますから、自分の評価を自分自身で落としているだけです。
そういう方も中にはおられますが、いつの間にか業界からはいなくなります。
そもそも、パティシエはお客様にお菓子を食べて頂くのが仕事です。
お客様が食べるときにこうした方が食べやすいだろうなぁ
とか、
大きなお荷物を持ってこられたお客様に
商品を入れた箱や袋をお持ち帰りしやすい形におまとめしよう
とか
小さな事で接する時間も短いかもしれませんが、お客様にはその接した時間が全てです。
そういった短い時間に普段その人が考えていることが行動として出ます。
「お客様に美味しいお菓子を食べていただきたい!」
と思っているなら、面倒くさいことでも当たり前に出来るのは才能です。
体力
パティシエはシンドいです。
いちいち重いものばかりですし、極端に暑かったり、極端に寒かったり。
体力は必要です。
ですが、モチベーションをしっかり維持し、真摯に毎日の仕事に取り組んでいけば、体力は付きます。
最初の数年は体力がないとホントにシンドいと思いますが、10年以上やっていると、
2時間の事務仕事より、一日じゅう作業をしている方が楽に感じたりもします。
そこは心配しないで下さい。
女性だと持てる重さにも限界があります。
先輩たちはそういうことが分かっているので、どうしても無理だろうなというものは男性が手伝いますし、心配はありません。
腰を痛め椎間板ヘルニア等になり業界を去ってしまった同僚もいますが、
そういう仕方ない原因とは別で「体力がついていかないから辞めます」というのは、
殆どがモチベーションが続かなかった人の言い訳なので、気にしなくていいです。
センスは必要なのか?それは期待していません 育てます
センスは磨くもので 後天性のもの
講師をやっていた時期、学生の方から
わたしセンスないんですけど、やっていけますか?
と、よく聞かれていました。
一言で言うと、
- センスは磨くもの
僕もペーペーの頃はそれはそれはひどいセンスでした。
でもセンスって何でしょう?
例えば、
めちゃくちゃ忙しいところで作業をしたら、スピードを上げるスキルが上がります。
めちゃくちゃキレイな仕上げをするケーキ屋さんで仕上げ作業をすれば、ケーキをキレイに仕上げるスキルが上がります。
製菓理論の書籍を読んで覚えれば、製菓理論の知識が増えます。
でも、それでセンスが磨かれるかというと少し違う。
新製品を作ろうとするとき、
生地にジェノワーズ生地というものが有るというのを知っている→これは知識
フルーツの組み合わせだったり、箱にキレイに収まるようにカットする→これはスキル
じゃあ、センスはどういうものなのかというと、
その人が今まで得てきた情報、
例えばケーキ以外のこと(社会状況、世の中の流れ、全く違う業界のこと、趣味、嗜好、思考、育った環境、等、世の中の様々なこと)
のすべての情報の影響も受けたうえで、その人の思考フィルターを通って出てくるものだと思います。
こういう切り口や発想で商品のコンセプトを考えましょう、とか、そういう概念的なものです。
なので、ケーキ以外のことにも目を向け、それらを自分の中で消化していくことでセンスは上がっていくと思います。
色んなことに興味を持って下さい。
もちろん、ケーキに関する知識やスキルは有るに越したことは無いですが、それだけではダメと思います。
そういうものだから教えることはなかなか難しいです。
所謂、人生経験がその人に吸収され、色んな経験とリンクしあい形となって出てきたもの。
ということは、人生経験が浅い若者にはなくて当然です。
どうすれば、センスが磨かれるかというと、「アウトプット」し続けることだと思います。
僕が初めて作ったコンテスト用のケーキなどは酷かったですが、それも何回も繰り返していくうちに磨かれていったと実感しています。
稀に若くしてセンスあふれる人はいますが、その人は何らかのきっかけでアウトプットする手段を見つけたのだと思います。
だから、ほとんどの若者は(自分も含めて)センスがないことを先輩・上司は分かっています。
センス有るなんて思っていません。
普通に働いていたら最低でも2~3年はセンスを出す機会は無いかと思います。
もしあなたがセンスを磨きたいのならコンテストに挑戦するのはオススメです。
ゼロから自分で作り上げると、色々なものの見え方は変わってきます。
まとめ パティシエに向いている人
◎パティシエになる動機や目標を具体的に決める人
◎地味な作業に集中し、精度上げていく喜びをもてる人
◎周りの一員、唯一の人として臨機応変に対応出来る人
◎センスを磨くために色んなことに興味を持ち、お菓子と繋げられる人
どの仕事を選んでも、必ずシンドい場面はやってきます。
それなら好きなことでシンドい方が乗り切れると、僕は思います。
不安ならお菓子のことを本当に好きなのか、自問自答してみましょう。
あなたの中に答えがあるはずです。