という疑問に答えます。
こんにちは!石川マサヨシです。
僕は今年でパティシエとして活動して27年目です。
その間にホテル、個人店、中規模の菓子製造企業、カフェ、フレンチレストラン、製菓学校講師、等の職場を経験してきました。
現在はフリーランスのパティシエとして活動をしています。
具体的な活動としては、企業様の顧問として商品開発や経営改善・技術指導・等をしたり、
店舗開発のお手伝いやセミナー、レシピ開発、youtube発信、等を行っています。
本記事の内容
◎一日の仕事の流れ
◎業態による違い
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目次
パティシエの一日 仕事内容とは
始業時間について
仕事を開始する時間はお店により様々です。
例えば、僕が経験した中で一番朝早くから始まるお店は午前4時からでした。
逆に一番遅いのは午前8時から。
ちなみに、知っているお店で一番早いお店は晩の22時からってお店も。
自分が働いてきたお店や知り合いのお店などを見てきた限り、6時~7時くらいが一般的です。
その時間がなぜバラバラなのかというと【何時までにケーキを仕上げなければいけないか】がそのお店によって違うからです。
例えば、普通の街のケーキ屋さんだと、お店があってその奥が厨房だったりしますよね。
ケーキを作って並べるのに開店時間ギリギリまでかかっても大丈夫なわけです。
逆に多店舗展開をしているお店の工場だったら、工場から各店舗に配送で配達しなければいけません。
工場から各店舗を廻ってすべてのお店で開店時間までに到着しなければいけません。
特に百貨店等では開店時間に商品が並んでいなければ最悪ペナルティもあります。
開店時間はだいたい10時や11時が一般的ですが→それに合わせて配送→それに合わせて製造、と逆算していって決まります。
一日の流れ
大まかにいうと、
店頭に商品を並べるため、商品を完成させる
↓
明日以降の仕込みや準備をする
という流れです。
では、例として店舗と工場が同じ場所にある場合の流れを見ていきます。
7:00 始業~開店まで
- 昨日使用して漂白剤などでキレイに洗って干していたダスターを回収したり
- ショーケースの冷蔵スイッチをオン
- オーブンのスイッチをオン(タイマーをセットして出勤時にはもう温度を上げたりもしています)
などなど、
仕事がスムーズに進むための準備をしてから商品を作り出します。
パイなどの焼成物を焼いたり、
ムース類を冷凍庫から必要分出したりしながら、
ショーケースに並ぶ数より少し多めに全種類のケーキを仕上げていきます。
ショーケースに並べるまでパティシエがしているお店も有ります。
販売担当さんがそもそもいないお店も有るので、そういうお店だとお店の清掃等もすることがあります。
⇓
10:00 開店以降
開店以降は、お店の売れ行きを見ながら、必要なら追加を作りながらの作業になります。
生地を焼く、ムース等の仕込みをしながらお昼休憩を順番にとっていったりします。
全員で一斉に休憩すると時間効率が悪くなるので、
一人ひとりが作業のキリが良いところで休憩に行くところのほうが多いです。
例えば、
- 今日のムースの仕込みで使用する生地を先に焼く、だとか
- ムースの中に入れる小さいムースを先に仕込んで急速冷凍をしている間に休憩に行く、だったり
全体として、一つの作業がボトルネックになって【待ち】の時間が発生しないように順番を考えながら作業していきます。
- 商品の仕上げで使うチョコレートの飾り
- ムースのコーティングをするゼリーを作る
- 明日仕込みをするものの計量
等は作業の中でも最後の方にします。
⇓
15:00 片付け・掃除・発注業務
使った器具や機械の掃除、作業台や床などをキレイにしながら、明日以降に使用する材料の発注をします。
発注業務は材料のことが分かっていないといけませんし、今後数日間の仕込み等を把握して必要な材料の発注をかけなければいけないため、
材料知識のアップや全体の流れを掴み視野を拡げるために新人さんに任せることも多いです。
⇓
16:00 退勤
一日8時間労働、休憩1時間で9時間の拘束が基本(多少の違いはありますが)です。
特にゴールデンウィーク明けから9月くらいまではお店の売上が減るので仕事量が減ります。
その期間は16時退勤もあります。
帰ってプライベートで過ごしたり、絞りやナッペの技術の練習、コンテストの作品作りなど、人によりそれぞれの過ごし方をします。
20年くらい前は12時間勤務が普通というところもかなり多かったですが、現在はとても働きやすくなっています。
繁忙期には労働時間は残業で伸びますが、
今のご時世、小中規模以上の会社だと労務規定で労働時間を決めている会社も多く、
年間で合計何時間という具合に労働時間を決め、繁忙期は何時間まで残業しても良いという感じにし、
月により労働時間を変えているところも多いです。
特に役職のない一般社員の方を守らないといけないので、作業がまだ終わっていなくても強制的に上がらせるところも多く、
残った作業は役職手当を付与されているシェフなどがやっているところもあります。
余談ですが、
一般社員にとっては少しお気楽?に過ごせる期間の閑散期ですが、シェフにとってはとても忙しい期間になります。
まずは今年のクリスマス商品を考え商品として完成させます。
百貨店に出店しているお店だと、6月には百貨店のクリスマスカタログ作成が始まるので、それまでに商品の内容や飾り付け、オーナメント等もすべて決定しなければなりません。
また、繁忙期に入ると作業で忙しくなり商品開発もままならなくなるので、どんどん前倒しで商品を決めていきます。
僕の前職では5月中にはクリスマスが全部決定、でどんどん商品を開発していき、9月までには来年の春の商品まで決めていました。
業態による違い
前項では一般的なパティスリーでの一日の流れを紹介しましたが、違う業態ではどうなるか紹介していきます。
レストラン・カフェ
ケーキをショーケースに並べ販売しているお店もありますが、ほとんどは半製品までの状態まで準備しておき、オーダーが入ってから作るお店が多いので出勤時間は少しゆっくり目で終業時間も遅めが多いですが、
営業時間が長ければ、早番・遅番などとシフトで分かれることも多いです。
パティスリーの作業時間はずっと急いでいる感じですが、
こちらは盛り付けの準備を先にしておいて、オーダー入ったらターボをかけ集中して提供するイメージです。
設備的にはパティスリーよりは揃っていないところがほとんどで、調理と同じところでの作業になることも多いので室温が高く、作業としてはしにくい環境です。
ブライダル関係
結婚式場などのブライダル関係は結婚式自体が土日祝に集中するため、平日に準備をし土日祝に商品を提供します。
なので、パティスリーの一日を一週間単位に伸ばしたイメージです。
平日に仕込み等の準備をして、土日祝の11時~14時、15時~18時に集中して提供します。
ホテル
ホテルになると仕事が多岐にわたります。
- ケーキショップのケーキ、カフェラウンジなどで提供するケーキ(ショーケースに並べるケーキ)パティスリーと同じ仕事
- レストランのデザート、結婚披露宴でのデザート(皿盛り)レストラン・ブライダルと同じ仕事
- ビュッフェパーティでの提供(カットサービス)
などなど。
すべて提供する時間や形態が違うので、それに合わせて仕事をします
アイスクリームやシャーベットも作っているホテルもありますので、分業することが多くなります。
- 生地を仕込む、焼く部署
- ショップ等のテイクアウトのケーキの仕上げ仕込みをする部署
- レストランや結婚披露宴の皿盛りを担当する部署
- アイスクリーム・シャーベットを作る部署
などです。
分業が進むことで、一日中生地の計量をしている人、オーブンからの出し入れをしている人、などかなり細かくなります。
一年を通して一日中、同じ作業をするのでその作業に対する精度が高くなったりしやすい環境です。
まとめ
◎会社として成り立っているお店は特に新人さんにとっては働きやすいご時世になってきている
◎勤務時間は商品の提供時間によって決まる
このように同じスイーツを提供していても、業態が違うと一日の流れ方が全然違います。
お店に入ってから「あれ?なんか違う…」とならないように、考えておきましょう。