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凝固剤 ってどういうものなのでしょう?
凝固剤というと分かりにくいでしょうか。
昨日は同じくパッと見、よく分からない膨張剤について書きましたが、
膨張剤とは 種類や性質 どんなものか知ってます?
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今日からはお菓子を固めるために使うもの、凝固剤について書いていきたいと思います。
・凝固剤とは その1
凝固剤とは分子同士が網目状の構造を作り、液体をゼリー状に固める性質を持つもの。
というと難しいかもしれませんが、要するに液体をゼリー状にするものです。
凝固剤やゲル化剤と呼ばれています。
凝固剤には、大きく分けて2つのグループがあります。
- タンパク質系凝固剤(動物由来)
- 糖質系凝固剤(植物由来)
凝固剤は動物・植物由来に関わらず、熱い液体内では活発に動き回るが、液体の温度が下がってくると徐々に運動が不活発になり、同じ凝固剤同士で引き寄せあって細かい網目構造を作っていき、その隙間に液体を包み込んでゼリー状にしていきます。
ゼリーは固まってから時間が経つにつれて網目構造が収縮して水分を外に出してしまうことがあります。
これを離水といいます。
また、液体中の砂糖が多いほどゼリーは硬くなり、離水しにくくなります。
それぞれの凝固剤によって、いろいろな特徴がありますのでそれを説明していきます。
どういうときにどの凝固剤を使えばいいのかということも覚えていきましょう。
今日は凝固剤の中でもかなりのみなさんが知っておられるゼラチンについて書いていきたいと思います。
・タンパク質系凝固剤(動物由来)
・ゼラチン
ゼラチンは牛の骨や豚の皮から作られる凝固剤で、
細胞間質に含まれるコラーゲンと呼ばれる硬タンパク質を原料に作られます。
簡単に言うと、豚等を煮込んだ時に出来る煮凝りを作る物質を取り出しています。
こちらは消化吸収出来るタンパク質であるため、それ自体にカロリーがあります。
100gで338kcalあります。
ゼラチンの融点は50~60℃で20度以下にすると固まります。
固まった後では20~30℃で溶けだして来ますので、
口に入れたときに口溶けが非常によく、生菓子に多く使われます。
ゼラチンで作ったゼリーは黄色を帯びた透明になります。
ゼラチンは板と粉の形態で販売されています。
板ゼラチン
板ゼラチンは1枚ごとに同重量で作られているので計量しやすいのと、水に浸けたときに戻りやすい特徴があります。
ですが、大量の冷水が必要で水分を絞る時に水分量が一定しにくいことが欠点です。
粉ゼラチン
粉ゼラチンは分量の粉ゼラチンに4~5倍(お店ごとに規定量を決めています)の冷水を加え戻すので、水分量が一定します。
ですが、使える状態になるまで板ゼラチンよりも時間がかかる傾向にあります。
だいたい液体の2~4%を添加します。(製品によって強度が違います)
保水性は良いほうで離水しにくいので2層のゼリーを作りやすいです。
下の層を固めた後、粗熱をとった上の層を流すだけで簡単にくっつきます。
また、ゼラチンは効果が失われる条件がありますので、覚えておきましょう。
・高温で加熱すると分解され効果が失われます。
ゼラチンをベースに入れてからは加熱出来ません。
・強い酸によって分解され効果が失われます。
ph4以下の液体に直接入れないようにしましょう。
果汁のphを例でいうと、レモンph2.46、ブドウph3.13、ミカンph3.42、リンゴph3.49、モモph3.97
となっているので、果汁にゼラチンは入れず、ベースのほうに入れるようにしましょう。
フルーツでタンパク質分解酵素を持っている
パイナップル、パパイヤ、キウィ、イチジク、等は一度75℃以上に加熱して
タンパク質分解酵素の効果を失わせてからゼラチンと組み合わせましょう。
ゼラチンで作ったゼリーは基本的に冷凍出来ません。(ほかの材料が加わったムース等は冷凍可能です)
冷凍したものを解凍すると、離水してゼリーがシワシワになります。
粉ゼラチン AU-P / 100g TOMIZ/cuoca(富澤商店)
凝固剤の植物由来編は、こちら
凝固剤 ってどんなものか知ってます? 植物由来 編
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