膨張剤とは 種類や性質 どんなものか知ってます?

目次

膨張剤 ってどういうものなのでしょう?

膨張剤とい名称ではピンとこない方もおられると思いますが、

ベーキングパウダーや重曹という名称なら聞いたことや使ったことがある方もおられると思います。

しかし、焼き菓子を焼くときにベーキングパウダーで膨らむけど何で膨らむのかな?と思いませんか?

今日は膨張剤についてお話していきたいと思います。

 

 

 

膨張作用

まず、お菓子を膨らませるには大きく3つの要素で膨らませます。

  • 物理的膨張作用
  • 科学的膨張作用
  • 生物的膨張作用

1.物理的膨張作用

生地に含ませた気泡(スポンジ生地・スフレ生地)膨張生地(シュー生地・パイ生地)に混ぜた水分の気化による水蒸気の発生による膨張

 

2.科学的膨張作用

生地(バターケーキ・クッキー)に混ぜ込んだ膨張剤によるガスの発生による膨張

 

3.生物的膨張作用

生地(パン・サバラン)に混ぜたイーストや酵母の活動によって発生したガスの熱膨張による膨張

お菓子を膨らませるには基本的にこの3つのいずれかを使って膨らましています。

そのうちで今日は2番目の科学的膨張についてみていきます。

 

 

・種類

膨張剤には大きく分けると3つの種類が知られています。

  • 重曹
  • ベーキングパウダー
  • イスパタ

この3種類は同じガスを発生させる膨張剤ですが、性質が違うため出来上がるモノの性質や見た目等が変わってきます

そのことを踏まえて使えるようになれば、例えばレシピをゼロから作る際にも役立つと思います。

ではその性質と特徴を見ていきましょう。

 

 

 

・膨張剤それぞれの性質

・重曹

重曹の正式名称は「炭酸水素ナトリウム」といいます。

これを高温で加熱すると炭酸ガスが発生します。この炭酸ガスがお菓子を膨らませます。

 

これを加熱すると、

「炭酸水素ナトリウム」×分子

↓↓↓

「炭酸ナトリウム」分子  「水」分子  「二酸化炭素」分子

が出来ます。

この化学反応で出来る「二酸化炭素」(炭酸ガス)が生地を膨らませます。

 

また、この化学変化で残る「炭酸ナトリウム」アルカリ性のため、

加熱による生地の着色を促進します。

つまり、チョコレートや黒砂糖の入った色の濃い生地だとその色をより鮮やかに出すことができます。

ですので、白く仕上げたい蒸し饅頭等では使いません。

 

また、この炭酸ナトリウム」独特のニオイや強い苦みを持っているため、そのニオイや味に勝つくらい濃い味の生地でないとお菓子の風味を損なってしまう可能性もあります。

ですので、お菓子作りで重曹が単独で用いられるものは多くありません。

重曹(炭酸水素ナトリウム)950g 食品添加物

 

・ベーキングパウダー

ベーキングパウダーはケーキ屋さんでは”ビーピー(B.P.)”と呼ばれることも多いです。

これはいくつかの成分を組み合わせて作った複合膨張剤です。大きく分けて3つの成分で構成されています。

  • ガス発生剤
  • 助剤
  • 遮断材

・ガス発生剤

重曹「炭酸水素ナトリウム」を主成分とします。

 

・助剤

助剤は具体的には「酒石酸、クエン酸、ミョウバン、第1リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン」等です。

重曹単体では分解しきれず「炭酸ナトリウム」を発生させてしまいますが、この助剤と呼ばれる酸性剤を加えることで分解を促進し、「炭酸ナトリウム」を発生させず、全て二酸化炭素と水に分解します。

この助剤はその種類によって重曹に作用し始める温度が違うので、助剤の組み合わせを変えることで、使用するお菓子に最適な温度とスピードでガスを発生させるコントロールができます

「蒸しもの用」では低い温度で作用、「焼き物用」では高い温度で持続的にガスが発生させることができます。

また、助剤の組み合わせで出来上がりのお菓子の「ph(ペーハー)」もコントロール出来るので、白く仕上げたいモノ用には「微酸性」に、色を鮮やかに仕上げたいモノ用には「アルカリ性」になるように配合されています。

 

・遮断剤

保存している間に化学反応が起こらないように薬剤を分離する目的で配合されます。

具体的には「コーンスターチ、小麦粉」等です。

愛国 ベーキングパウダー 100g

 

 

・イスパタ

イスパタは和菓子でよく用いられる合成膨張剤です。

ベーキングパウダーとなにが違うかというと、ガス発生剤に2種類の薬剤を使っています。

具体的に言うと、「炭酸水素ナトリウム(重曹)」「塩化アンモニウム」です。

イスパタの特徴はこの2種類の薬剤が相互に効率よく反応して

ベーキングパウダーよりも強い力で生地を膨らませます。

また、反応後は「塩化ナトリウム(食塩)」「水」が残り、

中性から微酸性に調整しやすいので、蒸し饅頭等に使用すると非常に白く仕上げられます。

ただ、発生する2種類のガスのうち、「アンモニアガス」は生地に残ると風味が損なわれるので単独では使用せず、厚さの薄い饅頭の皮等に重曹やベーキングパウダーと併用して使われることが多いです。

また、溶けにくいので水で溶いて生地に配合します。

イスパタ/30g TOMIZ/cuoca(富澤商店) ベーキングパウダー・膨張剤 イスパタ

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