バニラってどんなものか知ってます？

バニラっていい香りしますよね

アイスクリームでは定番ですし、ケーキ屋さんでもたくさん使われる材料ではありますが、知ってるようで知らないですよね。

今日はバニラについて見ていきたいと思います。

・バニラとは

バニラはラン科の植物で、原産地はメキシコ、中央アメリカといわれています。

蔓を樹木等にからめて成長していきます。その長さは長いものでは６０ｍもあります。

種子が香料の原料になりますが、収穫したままの種子鞘には香りはありません。

その鞘をキュアリングと呼ばれる、発酵と乾燥を繰り返す作業を経ることで甘い芳香がしてくるようになります。

・歴史

元々はコロンブス以前の中央アメリカでタバコやカカオ飲料の香りづけに使われていた香味料で、スペインの征服者がヨーロッパに持ち帰ったと言われています。

１９世紀ごろにフランス人の栽培者が、古代メキシコ以来、現地のトトナコ族に伝わってきた人工授粉の方法を持ち帰り、そこからフランス植民地周辺で栽培されるようになりました。

・生産

主に栽培されているのは、マダガスカル、メキシコ、グアテマラ、ブラジル、パラグアイ、インドネシア、タヒチ、等です。

現在、マダガスカルが世界の生産量の８０％近くを占めているとも言われています。

しかし、マダガスカルでは天候不順や暴動等による政情不安が頻発して生産量が減り、ここ１２,３年程で現地バニラ市場での買取価格が２０倍程度になってしまいました。

特に２０１７年３月にサイクロンがマダガスカルを襲い、甚大な被害を及ぼしたことも原因です。

近年は香水やアロマテラピー等、元々使っていなかった業界でも使い始めたり、中国等での消費量が拡大し、２０１５年には世界でのバニラの需要がマダガスカルの供給量を上回った結果、

２０１７年のデータ(通関輸入統計)では、

２０１７年のバニラ輸入量は３年前に比べ、４０％減。

その為、

２０１７年のバニラの価格は３年前の約４倍になりました。

また、２０１５年の高騰でマダガスカルに大量の現金をもたらした為、バニラ農場の盗難被害が深刻になり、警護する為に窃盗犯が殴打されたり中には殺害されたケースもあったとのことで、盗難を恐れて熟しきっていないバニラの実を収穫せざるを得ない農家も出てき、２０１７年出荷分の品質が低下し、流通量が減ったという原因もあります。

品質の面はバニラの早摘みの禁止や輸出規制の変更などの対策をマダガスカル政府が取ったので、

これから品質はまた上がっていくと思われます。

元々、日本は約９０％をマダガスカルから輸入しており、世界との取り合いで価格の高騰につながりました。

が、、、価格はホントに高いです。

２０１７年は夏前にもう無くなります、とのことで最後に希望した半分量を倍額で買いました。

日本での輸入量で１０％満たなかった希少と言われたタヒチ産のバニラというのがあり、

これはマダガスカル産のブルボンバニラとは違うとても甘い香りが特徴で肉厚でジューシーなところが特徴なのですが、ブルボンバニラに比べても高価でした。

ですが、マダガスカル産のバニラ価格の高騰により、どうせ高いならとタヒチ産バニラを買う方も増え、こちらも高騰・品薄になってしまいました。

私のお店はマダガスカル産とタヒチ産を製品ごとに使い分けていました。

近年では国産のバニラを栽培しようと、福岡県久留米市の金子植物苑さんや白い恋人でおなじみの石屋製菓さんが北海道産バニラの栽培に取り組んでいます。