目次
前回は一般的なパティスリー(ケーキ屋さん)はどういう仕事をしているのかを書きました。
パティシエ ってどんなことするお仕事なの?
続きを見る
今回は少し敷居の高いかもしれない、国内ホテルのパティシエについて書いていきます。
パティシエ ってどんなお仕事してるの?
・ホテルのパティシエ (ペストリー部門)
ホテルをご利用されるお客様はいろいろなシーンでご利用されます。そのご利用の仕方だけ仕事があります。
ホテルのスイーツに対する取り組み方により違いますが、調理部門の中でも人件費削減対象になりやすい部門です。
すべてを自家製にしているところ、部分的に外注品を使うところ等ありますが、今回はすべて自家製のホテルを例にお話しします。
数回、外資系ホテルのシェフパティシエとしてどうですか?とお誘いを受けたこともありますが、国内資本のホテルの方が会社員という感じはある気がします。
どんな利用の仕方があるかというと、
スイーツショップ
ホテルブランドのケーキを扱うケーキやパン、大きいところだとお惣菜も扱うようなホテルの味のテイクアウトショップです。
ここではもちろん、ホテルブランドのケーキです。
レストラン・カフェ
レストランのコース料理のデザート等を提供します。
パティシエがレストランに常駐して提供するところ、調理人の方が兼任するところ、様々あります。
宴会・ビュッフェ
宴会場等を使っての会食でのコース料理や立食パーティのケーキ等の提供をします。
立食パーティ等では切り分けるサービスとしてお客様の前に立つこともあります。
婚礼
宴会場を使っての婚礼パーティのコース料理のデザートやウェディングケーキを提供します。
また、ホテルのVIP顧客が宿泊した際のプレゼントやお誕生日ケーキ等も宿泊係と連携して提供したりもします。
ホテルはやることがとても多く、いろいろなものに対応しなければいけないため、大型ホテルで人数がたくさんいるところでは、ペストリー部門の中でまた部門を分けていたりします。
例えば、
生地
ケーキ・デザートで使用する生地の焼成、クッキー・マドレーヌ等、焼き菓子の焼成
仕上げ・仕込み
生地部門から来た生地でムース等を仕込み、ショップに並べるために仕上げをする
宴会
宴会・婚礼・立食パーティでのデザートの仕込みや仕上げ・皿盛り、等
アイスクリーム
宴会・婚礼・立食パーティ・レストランでのお口直しのシャーベットやデザートに添えるアイスクリーム、等
これはほんの一例ですが、人数が多いと作業で部門を分けていきます。
そして、その部門を1~数年のスパンで回っていきます。
ですので、ひと通りの仕事を覚えようとすると時間はかかりますが、一つ一つのことに関して深く掘り下げられ仕事の精度は高まります。
・パティスリーとの違い
普通のケーキ屋さんとの違いは経営に近いかというところかと思います。
ケーキ屋さんはケーキが売れないと潰れるので売れるケーキを作ります。
ですが、ホテルのペストリー部門は他の部門で利益を上げられたりしますので、売れるものだけではなく、いろいろな提案的な商品を出すことによって売り上げだけでは測れないホテルブランドイメージを構築する1部門でもあります。
なので新しい技術を用いたり目を引くもの等を取り入れやすい環境にあります。
そういうこともあり、コンテストに挑戦しやすい環境でもあると思います。
会社としてホテルの方が大きいことが多いので、ホテルの方が福利厚生や休日に関しては確実にいい待遇を受けられると思います。
ホテルで修業していた時は月7~8日休み、夏休みも1週間頂いたりしていました。
給与的にも街のケーキ屋さんの修業人よりも多少多かったと思います。
今は街のケーキ屋さんでもしっかりとした待遇のところが多いですが、個人店等、規模が小さくなっていくと休日、給与も少なくなりがちなのは確かです。
そのかわり、街のケーキ屋さんでは役職に就いて売上実績を上げると、けっこういいお給料を頂けることもあります。
ホテルは会社員の世界なので、反対に役職についてもそれほど給与は上がりません。
都市型ホテルとリゾート型ホテルの違い
都市型は常に人の流れがある立地等で売り上げがとりやすいため、それなりに人数を通年で抱えられるところが多いと思いますが、
リゾート型は繁忙期と閑散期の差が激しいため、閑散期に合わせての人数で正規雇用+繁忙期の不足分を非正規でまかなうなんてこともあります。
ゲストハウスのパティシエ ってどんなお仕事なの?
続きを見る