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砂糖 がお菓子に及ぼす影響とは何でしょうか
お菓子に入れられる材料はフレーバー以外すべての材料が、その材料が持つ特性を機能としてお菓子に与えるために、加えられています。
その各材料が持つ特性を一つ一つ紹介していきます。
こういうお菓子が作りたいから、とイメージしたお菓子に近くなるように、この材料をこのバランスで入れよう、と決めていきます。
・砂糖 の特性とは
・着色、着香
砂糖をアミノ酸、タンパク質とともに加熱するとやがて焦げ色がついていき、香ばしい香りがしてきます。
これはメイラード反応と呼ばれる化学反応で、クレームブリュレの表面を焦がしてカラメルにしたり、スポンジ生地の表面が茶色く色づいてきたりする反応です。
また、グラニュー糖よりグラニュー糖にビスコと呼ばれる転化糖液をまぶした上白糖は焦げ色が付きやすくなります。
これはグラニュー糖はショ糖で出来ていますが、ビスコはブドウ糖と果糖で出来ていてその二つの糖の反応速度がショ糖よりも早いため、上白糖のほうが焦げやすくなります。
・保水性
素材内部の水分と結びついて、しっかりと抱え込む性質です。
ジャムではジャムの中にある水分を抱え込むことによって、腐敗を起こりにくくしています。
食品の中を自由に動き回ることができる水分を自由水といいますが、これは腐敗菌に利用できます。
しかし、砂糖によって抱え込まれた水分は腐敗菌に利用されないため、砂糖を添加し自由水をなくすことで保存期間を長く出来る効果です。
また、スポンジ生地等では砂糖の多い生地のほうが時間が経過してもしっとりさを保てる要因となります。
ゼリー等では砂糖を多く入れることにより、保水性が高まるため、離水が起こりにくくなります。
・脱水性
脱水性とは、保水性と似ていますが、砂糖が水分と結びつきやすい性質を利用し、水分を吸い出す性質です。
例えばジャムを作る際、火にかける前に果実に分量の砂糖をまぶしていると、果実の細胞中にある水分を引き出し、その水分で煮ていく際に用いられます。
これは果実の細胞を包んでいる膜が半透膜という膜で、水分を出し入れする性質を持っていることを利用しています。
この半透膜は中と外の条件を同じになるように調整していくので、濃度が濃いほうに水分が移動します。
外が濃ければ水分を出しモノは縮み、外が薄ければ水分を吸ってモノが膨らみます。
・タンパク質変性抑制
卵が熱で変性して固まるのを抑制する性質です。
プリンや玉子焼きでは砂糖が多いほど柔らかくなります。
プリン等では砂糖が多いと、熱凝固して全てのタンパク質が変性して固くなる温度が高くなるので、柔らかくなります。
・油脂酸化抑制
生地中に含まれる油脂が酸化して生地が劣化していくのを抑制します。
フィナンシェやバターケーキ等、バターや油脂が多い焼き菓子等で砂糖が多いほど、酸化はしにくくなり、味が劣化しにくくなります。
・デンプン老化抑制
例えばスポンジ生地は焼いたときは柔らかく美味しいですが、時間が経ったり、冷温で保存すると、一度アルファ化したデンプンがベータ化し固くなり消化しにくい状態になります。
消化しにくいものは人間は美味しいと感じにくいため、美味しさは減退します。
これは、炊き立てのゴハンが冷やゴハンになり固くボソボソしたものになるのと同じです。
砂糖が多いと、この冷やゴハン状態になるのを遅らせます。
また、小麦粉の代わりに米粉を使った生地やお餅などでもその効果は同様に発揮します。
・結晶化
砂糖は水に溶けやすい性質を持っているためドンドン水に溶けていきます。
沸騰している100℃だと水の重量の5倍の砂糖を溶かすことが出来ます。
水温が高いほど溶けやすいため、温度が下がってくると溶けきれなくなった砂糖が結晶し沈殿してきます。
この結晶化する時間をゆっくり行うと氷砂糖のように大きい結晶になっていき、攪拌しながら急激に結晶化していくとフォンダンのような細かい結晶が出来ます。
砂糖 って何から出来てるか知ってます?
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