ケーキ作りたい人「フランス産業務用発酵バターに挑戦してみたいけど、どれを買ったらいいか分からない、、、」
「ついでに発酵バターについても教えてほしい」
という疑問に答えます。
本記事の内容
- 発酵バターとは?
- AOPとは?
- パティシエが実際に仕事で使っていたモノの中からオススメ!
- オススメ!(食塩不使用)発酵バター
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目次
発酵バターとは?
いつも食べてるバターと何が違うの?
発酵バターはヨーロッパでは一般的なバターの種類で、ヨーロッパではわざわざ「発酵バター」とは呼ばず「バター」と言えば「発酵バター」です。
これはヨーロッパでは紀元前からバターが作られていたらしいですが、その頃は冷蔵技術が発達していなかったため自然に発酵が進んでしまうこともあり、発酵バターが主流となりました。
現在の発酵バターも冷蔵状態で発酵が進んでいくので、開封して冷蔵庫で保管していると味が変化していきます。
日本で非発酵バターが主流なのは、冷蔵等の技術が発達してから普及した為です。
発酵バターの作り方は、生乳から分離したクリームを乳酸発酵させて作ったバターで少し酸っぱいニオイがします。
この香りは加熱することで芳しい香りが立つので、焼き菓子に使われることが多いです。
加塩かそうでないものの使い分けは製品の出来上がりに塩味を出したいかどうかで決めます。
マドレーヌ、フィナンシェでは食塩不使用、パイでは有塩タイプを使う、等モノによって使い分けます。
もちろん、上にあげた限りではなく、ケーキ屋さんでは商品ごとにあったバターを使い分けています。
AOP とは?
フランスからの輸入バターで、AOPとかAOCとか書いているのありますよね。
よく分からないけど、なんか良いんだろうなって感じかもしれませんが、ついでにここで理解しておきましょう。
AOC とは?
A.O.C.(Appéllation d’Origine Controlée)
これはフランスでの認証制度で「原産地管理呼称」と呼ばれるもので、製品の原料の品種や飼育・生産方法について規定して、原産地の特徴が明確に出る製品において、呼称を認めて品質を認証する制度です。
なので、製品でAOCが付いているということはその地域で作られた特徴がある製品であるということです。
この制度が始まったのが1905年ですから、農業国フランスすごいですね。
AOP とは?
A.O.P.(Appéllation d’Origine Protégée)
対してAOPは1992年に出来た欧州連合(EU)での制度です。
それまでは各国でフランスのAOCのような制度をバラバラに行っていましたが、それを統一するために作られました。
コチラも土地由来の差別化を認定するための制度で、指定の地域で指定の製法で生産されたことを認証します。
AOC表記とAOP表記、どちらを表記してもいいとされています。
パティシエが実際に仕事で使っていたモノの中からオススメ!
ここからは僕が実際に使っていた製品の中からのオススメを紹介します。
今回は発酵バターの食塩不使用のモノをオススメします。
「食塩不使用」と「無塩バター」
ついでに「食塩不使用」て「無塩バター」とは違うの?って思いますよね。
それは食塩を添加しなくても、そもそも原料となる生乳に微量の塩分が含まれているため、厚生労働省の定める栄養表示基準では「食塩不使用バター」と表示されます。
なので、食塩不使用バターにも塩分は微量ながら入っています。
「食塩不使用バター」の保存方法は?
食塩を添加する理由としては味の面もありますが、主に長く保存させるためです。
有塩バターはだいたい1.5%~2.0%の食塩を加えています。
保存のための食塩を加えていないということは、冷蔵庫内で保管していると乳酸発酵がどんどん進んでいくということです。
ですので、基本は冷凍保存をオススメします。
食塩不使用バターオススメ
フランスAOP エシレ 発酵バター(食塩不使用) 250g ÉCHIRÉ
言わずとしれたエシレ バターは、優れた乳製品の産地として知られるフランス中西部・エシレ村でエシレ酪農協同組合は1894年から生産されるクリーミーな口あたりと、芳醇な香りが特長の発酵バターです。
こちらはフランス国内産バターで初めてAOCを1979年に取得したバターなので日本でもとても有名です。
このエシレは美味しいです。
ですがその分、高価になってしまっています。
なので、ご家庭で少し使う分には良いと思うのですが、業務用として全てのものに使うのはかなりハードルが高いのは事実です。
【無塩】フランスAOP エシレバター Echire AOP Charentes Poitou DOUX (500g)
フランスAOP ラ・ヴィエット 発酵バター (食塩不使用) 500g la viette
僕が今までいろいろなバターを使ってきて一番美味しいと感じたのがこのバターです。
これは先程説明したフランスのAOPのバターです。
酪農の盛んなフランス中西部ドゥーセーブル地方。ラヴィエットはペイ・ド・ガティネ酪農組合の持つブランドの一つでAOP認定されている発酵バターです。
地図を見てもらえると分かりますが、先ほど紹介したエシレ村から約25kmのところで作っています。
それなのに、エシレバターよりもお買い得価格(国産バター寄りは高いですが、、、)で手に入れられる。
お買い得だからと言ってもとんでもなくレベルが高いバターで、何に使っても美味しく出来るバターです。
僕は前職でお店のバターは全てこのバターを使用していました。
年間でだいたい1200kgぐらい。
マジのイチ押し愛用バターです。
ラ・ヴィエット 発酵バター(A・O・P) 食塩不使用 500g
フランスAOP イズニー 発酵バター (食塩不使用) 250g isigny
あと一つフランスバターを挙げるならば、これはフランスの北部ノルマンディー地方のカルヴァドスにあるイシニー=シュル=メールというほぼ海沿いの地域で作られています。
このバターは1932年より作られていて、上で紹介したバターと同じく海からの風で塩分やミネラルが豊富な土壌になるため、それを食べて育った牛さんの生乳もミネラル豊かになります。
その生乳を乳酸発酵させて作るのですから、旨味が豊富なわけです。
こちらもエシレバター程はいきませんが、少々お高めです。
フランス AOPノルマンディー産バターイズニー 250g(無塩)
正直、味の差をお伝えするのは難しいです。乳味の出方やその他旨味のバランス等、がどれも甲乙つけづらい程にどれも美味しいです。また、日本国内で作られている発酵バターとは一線を画した旨味があります。
あなたのお菓子作りは間違いなく変わると思います。