粉は何から作られているでしょう。
粉はいろいろな穀物等から作られています。
けっこうなボリュームになると思いますので、数回に分けて投稿していきます。
1回目の今日は小麦粉の材料の 小麦 です。
1.小麦
小麦は世界の三大穀物の一つで世界人口の半数が主食にしているとも言われる穀物です。
栽培は ①秋に種を播き→春発芽→夏収穫(秋播き小麦) が基本ですが、
種が冬を越せない寒冷地域や収穫期に雨季が来てしまい栽培が困難だった地域は
突然変異により越冬しなくても発芽する品種を栽培するようになりました。
これが ②春に種を播き→夏収穫(春播き小麦) です。
出来た小麦は十分乾燥をさせ挽いていきます。
表皮(13.5%)、胚乳(84%)、胚芽(2.5%)の割合で胚乳部分を食べますが、お米と違い表皮が硬く入り組んでいる形の為、そのまま挽いてしまうと表皮が混ざりやすくなってしまいます。
お米と違うのは一晩お水に浸けて全体を柔らかくしてからローラーで挽いていきます。
小麦からできる粉にはこんな種類があります。
強力粉、中力粉、薄力粉の違いはタンパク質含有量で グルテン を形成するものです。
硬質小麦を原料としていて、タンパク質含有量は11.5~13%です。 主にパン、麺、等に使用します。
タンパク質が大きいと胚乳が硬くなるため、ローラーで挽いても細かくなりにくく粉粒は大きくなります。
作業をするとき打ち粉として強力粉を打つのはこの粒が大きく生地と馴染みにくいからです。
硬質小麦で作った強力粉でもタンパク質含有量が10.5~12.5%のものは準強力粉と呼ばれます。
原料にされる品種は、
- カナダ産ウェスタン・レッド・スプリング(1CW)
- アメリカ産ダーク・ノーザン・スプリング(DNS)
- アメリカ産ハード・レッド・ウインター(HRW)
- 北海道産春よ恋
- 北海道産ゆめちから
- ハルユタカ(準強力粉としている商品も)
等があります。
中間質小麦を原料として、タンパク質含有量は7.5~10.5%です。 主にうどん、麺、菓子、等に使用します。
原料にされる品種は、
等があります。
軟質小麦を原料としていて、タンパク質含有量は6.5~9.0%です。 主に菓子、等に使用します。
原料にされる品種は、
- アメリカ産ウエスタン・ホワイト(WW)
- 農林61号
等があります。
浮き粉は小麦粉からタンパク質(グルテン)を取り除き、でんぷんを精製乾燥させて粉にしたものです。
グルテンがないので、使用すると軽い食感になります。
等級について
強力粉、中力粉、薄力粉、等の分類のほかに 灰分 で分類するのが等級です。
灰分とは(カリウム、マグネシウム、リン、鉄、等の)いわゆるミネラル分です。
このミネラル分含有量で分類したものが等級です。
- 特等粉(0.3~0.4%)
- 一等粉(0.4%前後)
- 二等粉(0.5%前後)
- 三等粉(0.8%前後)
- 末粉(1.5~2.0%)
等級が少ないものはミネラル分が少ないため色が白っぽくなり、等級が下がっていくと色がくすんでいきます。
これは使用した出来上がりの製品にも反映されます。
ですので、「特等薄力粉」「三等中力粉」などに併用します。
また、フランス産小麦粉では、灰分が用途を分ける指標になっていて、
- タイプ45(製菓用)(0.5%以下)
- タイプ55(製菓又はパン用)(0.5%~0.6%)
- タイプ65(パン用)(0.62%~0.75%)
という分け方をしています。
日本で流通している小麦粉全般よりも灰分が多いのは、
フランスでは外皮を取り除いた胚乳全てを一緒に挽く(ストレート挽き)が主流だからです。