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小麦粉 がお菓子に及ぼす影響とは何でしょうか
前回は砂糖がお菓子に与える影響について書きましたが、
砂糖 って何から出来てるか知ってます?
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今回は小麦粉がお菓子に及ぼす影響です。
どういう影響を与えるかを知っていないとお菓子つくりは上手になりませんので必見です。
・小麦粉の特性とは
・グルテンの形成
小麦粉の中には10%前後タンパク質を含んでいますが、そのほとんどはグルテニンとグリアジンと言うタンパク質で、水を加えて練るとグルテニンは硬い弾性を持ったものに、グリアジンはネバネバしたものに変わります。
この二つを混ぜ合わせた状態で水を加えて練ると、両方の特性を合わせ持ったグルテンというものに変わります。
生地を十分に練り合わせていくことで、このグルテン同士がネットワークを繋げていき被膜状になります。
その被膜に酵母が発生させた炭酸ガスを閉じ込めて膨らませるのがパンです。
グルテンを十分に出すことで、お菓子に利用しているものには、パイ生地があります。
パイ生地は様々な作り方がありますが代表的なものは、十分に練った小麦粉と水で作ったデトランプ(生地玉)とバターを合わせて、折り合わせていくことで層が出来ていきます。
その各層は一枚一枚が薄い膜上になっていて、オーブンに入れて焼いたときに間に挟んだバターが熱せられ沸騰し、膜状になった小麦粉の層を押し上げ膨らんでいきます。
小麦粉の層はある程度、火が通るとバターを吸い込んでしみ込んでいくため、バターのいたところが空洞になり空間が出来ます。
これがグルテンを利用する分かりやすい例です。
他の生地で見ていくとまた違う視点で見えてきます。
クッキーやタルト生地ではグルテンが形成されるとどうなるでしょうか。
クッキーやタルト生地ではグルテンが形成されると焼きあがったモノの硬さが変わります。
ですので、小麦粉を入れてからは出来る限り練らないようにしていきます。
グルテンを出来るだけ形成しないためです。
ミキサー等で配合していく際は、まだ小麦粉が混ざり切っていない状態で止め、あとは手でまとめていき、まとめ終わったと同時に小麦粉が混ざり切るようにします。
生地が出来てから、いろいろな形に成型したり、型に敷いたりします。
その作業中にも触れば練られてグルテンが形成されていくので、手数を出来るだけ少なくすることがポイントになってきます。
シュー生地では牛乳とバターを沸騰させて、その中に小麦粉を投入して練っていきます。
これは沸騰させることによってバターを液体中に分散させ(沸騰していないと牛乳表面に浮いてくる)、
小麦粉が投入され水と結びついてグルテンが形成されるのを妨げるのと、
出来たものも油脂によってグルテン同士のネットワークを繋げなくするからです。
そのため、練りあがったシュー生地はグルテンを繋げていないモソモソした状態になります。
グルテンの形成には他に入れる材料も影響します。
グルテンの生成を助けて、コシを強くするものとしては、
食塩、ビタミンC、カルシウム塩・マグネシウム塩(具体的にはイーストフードに含まれる炭酸カルシウムや塩化マグネシウム等)、等
グルテンを軟らかくし、生地を伸びやすくするものとしては、
レモン汁、酢、アルコール、液体油脂、等
グルテンの網目構造の形成を阻止し、コシを弱くするものとしては、
バター、マーガリン、ショートニング、等
が挙げられます。
・デンプンの糊化
デンプンに水を加えても溶けませんが、これを熱することによってデンプンが水を取り込み膨れることで粘度の高い溶液になっていきます。これが糊化です。
糊化は先ほども出てきたシュー生地でも利用されています。
沸騰した牛乳に小麦粉を一気に加え混ぜてから、鍋で再加熱していきます。
この再加熱していく際に生地中のデンプンを糊化していきます。
この糊化が十分出来ていると、生地が非常に滑らかで伸びやすくなり、オーブンに入れたときにしっかりと膨らんでいきます。
また、カスタードクリームを加熱した際、等も十分に糊化が行われる事で滑らかなクリームになっていきます。
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