クリスマスのケーキ屋さんてどんな感じ?

ケーキ屋さんのクリスマスってどんな感じ?

最近はハロウィンが終わるとすぐにクリスマス商戦が始まるのですが、

もうこの時期、世のケーキ屋さんはクリスマスが目の前に迫ってきてのプレッシャーがスゴいんです、、、

 

多分パティシエの方なら分かってもらえるかと思いますが、

その年最初に聴くクリスマスソングはかなり落ち込むんですよね。

また来たか、来たな、と、、、、、

 

三年ほど前は僕も朝7時〜夜中の1時まで仕事漬けの生活を3ヶ月くらいやってました。

もともと僕は残業減らしたり、効率のいい仕事を心がけていたのですが、その年だけはどうにもなりませんでした。

パティシエあるあるですね。

 

だいたいのクリスマスの流れを百貨店プロパー的に時系列で説明していくと、

パティシエの繁忙期は秋→冬→春までなのですが、クリスマスに出すケーキはそれぞれの会社で遅くとも5月中には決まっています。

そう繁忙期が終わればすぐその年のクリスマスケーキを決定しなければいけません。

何故かというと、各百貨店のクリスマスカタログの作成が5月の中旬からボチボチ始まるからなんです。

5月の終わりには各百貨店にクリスマスケーキのエントリーシートを送ります。

そのためにはしっかりとした商品をその時点まで完成させないといけないので、お店は暇になって工場のパティシエは早く帰るのですがシェフは必死で試作をしています。

6月にはそのエントリーシートからページの構成を百貨店側が考えて7月に撮影8月に校正をし、10月からカタログの配布が始まります。

 

 

クリスマスの製品をだいたいどの時期から作っているかというと、早いところでは8月くらいから色々作り出します。

パティシエ以外の方は「冷凍は悪」的に捉えられるかと思いますが、まず普通のケーキ屋さんでは必ず冷凍で保存したものを使っています。

考えてみてください、ショーケースに生菓子が30〜40種類あって、それを毎日全種類仕込むことが可能かどうか。

物理的に無理です。

もちろん冷凍のものやパーツを使わず作る製品もありますが、ムース系等はほぼ確実に冷凍しています。

近年は技術の進歩でイチゴのショートケーキを冷凍出来る冷凍庫等もあります。

あと、だいたいのケーキ屋さんにはショックフリーザーという急速冷凍庫があって、−40℃以下までスゴい風量で一気に冷やすものがあるので冷凍による劣化はかなり防いでいるはずです。

 

溜め込みのはじめに作り出すものは焼き菓子です。

12月からクリスマス・お正月にかけての焼き菓子を実績を目標に溜め込みます。

クッキーやフィナンシェ等を焼いてすぐに袋詰めしてから冷凍します。

そうすれば劣化はかなり防げますし、冷凍からのニオイ移りはほぼありません。

その後は順に、クリスマスに使用するものを仕込んで冷凍にかけていきます。

スポンジ生地などの生地類を仕込み、それが出来たらムース等を仕込んで冷凍していきます。

ケーキ屋さんの冷蔵冷凍庫には基本肉類などのニオイ移りの原因になるものはありませんが、

冷凍に保管するとどうしても冷凍臭さが付いてしまいます。

なので、そういうものを冷凍するときは出来るだけ密封して、出来るだけ短期間の冷凍で済むように緻密に計算して製造していきます。

だいたい20日くらいからクリスマスケーキのお渡しがボチボチ始まるので、予備日として数日をとり、後は逆算して溜め込み開始日を決めます。

それに合わせて人員の配置や材料の仕入れをします。

近年は日々の労働時間を会社によって決められていたりするので、その時間内で終わるようにするとどうしても溜め込み期間が伸びたりは正直してしまいます。

 

Photo by Toa Heftiba on Unsplash

 

だいたい21日からクリスマスの本格製造が始まって、

23日の夜が製造では一番忙しいです。

僕が以前いたある会社では21日に仕事に行ったら24日の夜まで帰ってこれない感じだったりしました。

違う会社では10月の終わりに休んだっきりクリスマス明けまで休めなかったり、ということもありました。

いろいろとカタチの違いはありますが、どのケーキ屋さんでもクリスマスはいつもとは違います。

お祭りです。

そう、お祭りなんです。

お祭りと思えるようになってからは楽になってました、実際。

 

でも、ケーキ屋さんはみんな頑張っています。

みなさんそれは分かってあげてください。

24日、みなはイブで浮かれているんでしょうが、パティシエはやっと帰れて即寝です

 

そんなパティシエを志望してくれる人も年々少なくなってきています。

年中厳しい労働環境ですが、それを覚悟を持ってパティシエになる人がお知り合いにおられたらは応援してあげてください。

 

さてさて、本日はクリスマスのシュトーレンの作り方動画をアップしました

今日の動画は一言ポイントを入れていないのですが、

こちらで発表します。

 

◎シュトーレンの一言ポイント

気にするな

 

難しく感じるかもしれませんが、すごく発酵する生地でもなく、室温でゆっくり発酵させても大丈夫です。

最初の方は手にベタベタと生地がくっつきますが、こねていると段々と生地にくっついて勝手にキレイになります。

こねる作業は楽しいですよ!

ちゃんと作れば賞味期限は一ヶ月以上ありますので、そこも気にしなくていいですし、

是非、シュトーレンを作ってみましょう!

 

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